釣りのコラム
本文へジャンプ 10月21日 

ボラマスターズなんてどう?


ボラはなぜ嫌われるのでしょう

今回はボラのはなしです。
どんな魚が歓迎され、どんな魚が嫌われるか?
いろんな要因があるでしょうが、簡単に言えば①見た目、②釣り味、③美味しさ
というところじゃないでしょうか。
で、ぶっちゃけて言えば古今東西、どんな世界かを問わず、見た目というのは非常に人気を左右するということだと思います。サッカーなら、なぜベッカムがあんなに人気があるかといえばひとえに見た目が良いからです。もちろん選手としての才能もありますが、しかし同僚のジダンと較べてみるとベッカムのほうが優れているのは容姿だけ、、、だと私は思います。

そういう意味で、魚の世界で不幸?を一身に背負っているのはボラでしょう。
磯釣り、筏釣りでボラは小さいエサトリを蹴散らしてくれるという意味では歓迎される側面もあります(別名正義の味方)。でもボラを積極的に狙おうという人はいません。間違って?掛けてしまうと「ああー、ボラだよー!タモで掬うの嫌だから、バラしちゃお!」とかいわれます。ボラの側から言わせれば迷惑な話です。
「オレとチヌのどこがそんなに違うっていうんだ!」⇒「見た目です」

小学生の時購入した小学館の『つり入門』という本の海釣り編でトップに登場しているのはボラ釣りでした。そして私の海釣り人生の中で最初にバラした大物もボラだったのです。
忘れもしない小学校低学年のとき家族で行った浜名湖のハゼ釣り。延べ竿で脈釣りをしていた私の竿を突如襲った強烈な引き。当時はやり取りなどというものは知らず、ただ強引に釣り上げようとした私の目の前でその魚は余裕のジャンプ一発。ぶち切られました。
見ていた父は「ありゃボラだ」と、さして関心も無い様子。しかし、あんな大きい魚(子供のときの話なのでたぶん30センチくらいだったかも)に逃げられた私は興奮冷めやらず、「今度は絶対あのボラを釣りたい!」とリベンジを誓ったものでした。
しかし時が流れ、いっぱしの磯釣り師となった?私は、あの時の興奮を心のどこかに引きずりつつも、やっぱりほかの釣り師たちと同様、ボラを掛けた釣り人を横目で見て「ああ、ボラね」と冷たく言い放つようになってしまったのであります。

でも、見た目以外で例えばチヌと較べた時ボラはそんなに劣るんでしょうか?
掛けた時の引きの強さも同サイズなら最初は似たようなもんだし、食べた時の味もそう変わらないように思います。どっちもどっちでしょう。
『豪腕F氏』の話では、彼の故郷天草では生きているボラをシメてすぐ刺身にするとものすごく美味しいので人気がある。鯛なんか比較にならないくらい美味しいといいます。
また、私の知ってる人が伊勢湾(というより名古屋港に近い)でボートでチンタ釣りをしていたらボラが跳ねてボートに飛び込んできたので、船長がその場で刺身にしてくれたのを食べたらそれが美味くて忘れられないと言ってました。「そんなん食べたのー?」「それが美味いんだって!」という私との会話でした。
そして、うちの母がご近所さんから時々ボラをもらってくるのです。ご近所さんのご主人が筏の上で酒を飲んで過ごすのが趣味ということで、その釣果です。(チヌはもらったことがない)
そのボラを塩焼きにしたのが食事に出るのですが、食べてみるとまあこんなもんでしょうというような味です。別段まずくはありません。
やっぱり、見た目が大きいんでしょうねー。見た目が。

いっぺん磯か筏で『ボラマスターズ』をやってみるというのはどうでしょう?釣ったボラの総重量を争う。そして特別ルールとして、グレ、チヌを釣ってしまった場合はそのぶんだけ減点。
狙ってみると案外釣れないかも。そしてグレやチヌが掛かってしまったら、「ああークソッ!グレかよ!」ってな具合。
この日ばかりはボラが主役。日頃味わっている憂き目を一気に晴らす。どっちゃにしてもボラにとっては迷惑かな?