釣行記
本文へジャンプ 5月某日 
データ
5月下旬
くもりのち晴れ
中潮
縄間一文字
コマセ オキアミ、集魚材
釣果
ボウズ

縄間一文字


天気晴朗ナレドモ浪高シ

 永坂さん、岐阜の義兄と福井に行ってきました。3人とも釣れず、撃沈サル、、

 土曜日にチヌ釣りに行こうと思っていて、今シーズンまだチヌを釣ってない義兄を誘ったら「行きたいけど用があるから日曜にできないか?」ということで日曜に行くことになりました。それで日曜に行く予定だった永坂さんと合流することにしたんだけど、波が昼まで2メートルという予報のため永坂さんお勧めの和田は私のゴムボート技術では朝の離岸が難しいという結論になり、はじめから同行することにしました。

 釣りの結論は既に書いたし、釣りそのものは盛り上がりを欠いたので、ちょっと別の話を書きます。
 私は数年前NHKで見たスペシャルドラマ「坂の上の雲」が非常によかったため、今年になってからブックオフで原作の文庫本(全8巻)を買ってきて読んでいたのですが、それをちょうど土曜日に読み終わりました。司馬遼太郎の小説は割りとたくさん読んでいるのですが、坂の上の雲は司馬遼太郎にしては珍しく(?)最後まで面白かったのであります。(こんな言い方すると司馬遼太郎ファンに怒られるかもしれませんが、彼の小説はある場面(たぶん司馬自身が一番書きたいと思っていたこと)を過ぎると急に面白くなくなるのが多いと自分は思っているのです)

 それはいいとして、坂の上の雲と今回の釣りとどういう繋がりがあるかというと、小説を読み終わった日がたまたま5月27日で、その日はこの小説の題材である日露戦争において日本の連合艦隊がロシアのバルチック艦隊と対決した日本海海戦の日だったのです。そして海戦は翌28日でほぼ終息し、連合艦隊の完全勝利に終わったわけです。

 なので、『明日は我々の日本海海戦でチヌ様艦隊に完全勝利したいものだ』 そして『何といってもこちらには名参謀(永坂名人)がいるのだから』と思っていたのです。小説の主人公の一人、連合艦隊の参謀秋山真之(さねゆき)みたいなもんです。何処へ行くかが釣りの一番の作戦ですから。
 『そして我々はウキに向かって砲撃するみたいに正確な技術でコマセを飛ばす』などと、、、

 しかし釣り当日、まず最初に我々の前に立ちはだかったのは敦賀のエサ屋の店長さんでした。
 自分がお店の前でフネでコマセを混ぜていると、ニコニコしながら出てきて、「チヌの乗っ込みは終了しました」と言うのであります。
 『えーっ!? 俺にそれ言うためにわざわざ待ち構えとったなー!』(去年の再現であります)

 そして、次に立ちはだかったのは「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」、つまり天候でした。(説明不要かと思いますが、開戦前に連合艦隊から日本に送られた電報で、秋山真之が書いた有名な文章) この天候では和田は無理という永坂参謀の苦渋の判断でありました。

 で、縄間で朝9時半ごろから夕方6時過ぎまでやって全滅でした。縄間は敦賀湾の奥で風裏なので浪は無かったものの、沖には白波が立ち、また風は舞っていて向きは変わりましたが完全な横風で釣り難かったです。そして何よりサカナの活性が低かったです。まー冴えんかった。グレもあまり釣れず、一発逆転のチャンスかと思われた夕方の一時間も全く気配なしでチヌ様艦隊は回って来ず完封負け、名人もチヌ釣り連勝記録ストップとなりました。自分が釣った中で一番大きかったのは28センチのキジハタでした。

 しかし、ボウズでも釣行記は書け、チヌの乗っ込み終了宣言を証明できたので、めでたしめでたし?(涙)